teacup. [ 掲示板 ] [ 掲示板作成 ] [ 有料掲示板 ] [ ブログ ]

新着順:61/374 記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》

高座岩の礫岩

 投稿者:河本  投稿日:2018年 3月31日(土)11時17分50秒
  通報
   日朝上人が修行したと伝えられる高座岩は、長径20cmていどの大礫を含む、大小の円礫からなる礫岩です。礫種には花崗岩礫も見られます。同じ礫岩は大鹿にも分布していて、鹿塩の黒川で採集した転石が博物館にあります。
 高座岩礫岩は、ジュラ紀付加体である秩父帯と御荷鉾緑色岩体の間に、両側を断層で限られて挟まれた「戸台構造帯」中に分布しています。戸台構造帯中の泥岩からはアンモナイト化石、砂岩からは三角貝化石が見つかっています。化石の年代は白亜紀前期の約1億2000万年前のものです。高座岩礫岩の年代は直接に測られてはいませんが、砂岩や礫岩と同じ年代だとすると、領家花崗岩より古いので、高座岩礫岩中の花崗岩礫は領家花崗岩とは別の起源のものということになります。
 戸台構造帯に分布する地層は付加体ではなく大陸の河口付近~大陸棚の堆積物で、大陸起源の地質体です(海面下にあっても海溝までは大陸です)。断層で大陸の一部が切り取られて、ジュラ紀付加体中に挟み込まれたと考えられます。
 赤石山地では秩父帯北帯は失われていますが、関東山地・紀伊半島・四国では秩父帯北帯と秩父帯南帯の間に大陸起源の地質体が断層で挟まれていて、秩父帯中帯または黒瀬川構造帯と呼ばれています。戸台構造帯もその一部である可能性があります。ただし黒瀬川構造帯の指標になる約4億年前の古生代シルル紀の火山岩や変成岩は見つかっていません。黒瀬川構造帯には白亜紀の陸成層や海成層も分布しますので、戸台構造帯の場合は古い部分は大陸から切り取られた側に含まれなかったか、のちに断層運動や侵食で失われてしまったかもしれません。
 遠山地域では、青崩峠付近に古生代ペルム紀の花崗岩が見られます。また石灰岩からペルム紀の微化石が見つかっています。ただしジュラ紀付加体の石灰岩もペルム紀の化石を含んでいますので、戸台構造帯を黒瀬川構造帯の一部と誰でも納得するためには、もう少しデータがほしいところです。
 また、黒瀬川構造帯がもともとどこにあったのかということも、ゴンドワナ大陸から南中国が分離したときの大陸片だという見方もありますが、今のところ、まだ未解決と思います。

 
 
 
》記事一覧表示

新着順:61/374 《前のページ | 次のページ》
/374